引き出しや引戸取手周辺のひっかき傷や手垢の付き具合からして
そうとう使い込まれた箪笥だったことがうかがわれます。
今回のご依頼者様はこの箪笥の持ち主のお孫さんです。
すでに持ち主は亡くなられ、空き家となった建物を壊す時に
遺品としてこの箪笥を持ち帰られたそうです。




引き出しなどの内部は煤の様なものが付着していて、いくら掃除しても綺麗になりません。
木材の内部まで汚れが浸透し、削っても洗っても綺麗になはならないんです。
これでは外部の見た目が綺麗なっても気持ちよく使用できませんね。
箪笥はお飾りではなく収納するという役目を持った道具ですから
リフォームした後はやはり気持ちよく使っていただきたいです。
当社ではお客様のご要望に応じ内部に桐の突き板を張ります。



当然 引出しや引戸、開戸の調整、金具類もバッチリ(^^)v
新しい家でまたバンバン働いてください。



今回使用した塗料です。
カシュ−樹脂は”カシュ−ナッツ”の殻から搾りだした油が原料です。 ”カシュ−ナッツ”はカシュ−塗料の原料を含む殻に守られてカシュ−の樹に育つのです。
カシュ−の樹は漆科の植物ですが、その油は漆のようにカブレることはありません。 しかし、その油を原料とするカシュ−塗料は漆に似た性質を持ち、その肉持ちのあり、
光沢あふれる塗膜は一見漆と見分けがつかないくらいです。カシュ−塗料のことを”カシュ−漆”と呼んだりするのはその為です。